7月11日の概要
7月11日のドル円は下落。
この日は消費者物価指数(CPI)の発表を控えて午前中は小動きだった。
そして迎えた21時30分、CPIが発表され前月比予想0.1%だった所結果-0.1と鈍化。
これを受けてドル円は161.500から160.600へ90pipsの下落した。
しかしこの日の本番はこれからだった、CPIの数分後正体不明の物凄い下落がやってきた。
CPIから少し戻していた161.050から157.420まで強力な下げが出た。
下げ途中の反発買いをすぐに飲み込んで下げていく様は市場介入の動きと酷似しており、朝日TVでは「政府関係者によると、政府日銀は市場介入を行った」との報道が飛び出た。
この報道の真偽は不明であり今後の日銀残高での確認が必須になる。
今回の下げが介入であるなら基本的なドル高円安基調は崩れていないためドル買い戦略が有効になるが、介入では無かった場合CPIの鈍化確認による米経済の後退が始まったと見た大口によるポジション転換の動きの可能性もあるので今回の下げの原因はしっかりと見極めたい。
消費者物価指数(CPI)
消費者物価指数(CPI)が発表された。
CPI 前月比 結果:-0.1% 予想:+0.1%
コアCPI 前月比 結果:+0.1% 予想:+0.2%
CPI 前年比 結果:+3.0% 予想:+3.1%
コアCPI 前年比 結果:+3.3% 予想:+3.4%
前月比は予想よりもマイナス、前月比がマイナスとなるのは数年振りでインパクトは大きかった。
また、変動の大きい食品とエネルギー成分を除くコアも予想よりマイナス、前年比も鈍化傾向であった。
大きく落ちたのはエネルギー関連だった。
中古車、も前月比-1.5と落ち幅が大きかった。
今回のCPIを受けて、FRBが強く求めていたインフレ鈍化の確かなデータの一因となる事は確かで利下げに向けて大きな前進となっただろう。
エコノミスト達は「9月の利下げもありうる」と主張している。
新規失業保険申請数
この日は新規失業保険申請数も発表され、予想23.6万人の所結果22.2万人だった。
先週と比べると良い結果となったが、同時に発表されたCPIのインパクトが大きく今回は相場に影響を与えなかった。
介入を疑う急激な下落
CPIの数分後4円程の大きな下落があった。
この下げをリアルタイムで見ていたが反発が入ってもスグに買いを飲み込んですぐさま下落していく様は介入のそれであった。CPI鈍化確認後のタイミングと言う事で介入して相場を押し下げるには良いタイミングであり介入の可能性は十分にある。
しかし介入と断定するにはまだ早い、介入だとすれば下げ幅が小さい(今までは5円程は落としていた)点、朝日から「政府関係者による証言」報道されたが、通常政府側からそのような情報は漏らさない事から不信感はある。
また、神田財務官はこの日
「コメントする立場にない」
「その有無も含めてコメントを控えるのが基本的な立場だ」
「急激な変化は望ましくない。特に一方的な動きには懸念を持つ」
「ファンダメンタルズに沿った合理的な動きとは言えない」
「投機が支配しているマーケットになっていると言われている」
と発言した。
発言から考えるに介入の可能性が高いが、日銀の当座預金残高の発表まで断定は避けるべきであろう。
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