8月8日の概要
8月8日のドル円は上昇。
午前中8時30分に日本国際収支と日銀主な意見が発表された。
国際収支は黒字だったものの予想よりは低く前回からも悪化、日銀の主な意見はハトタカ入り混じる内容だったものの市場にはハト的と受け止められた。
これを受けてドル円は上昇するも午後からは方向感のない動きが続きNY時間に新規失業保険申請数が発表、予想の24.1万人の所結果23.3万人と改善されており、この所悪いデータが続き不調だった労働市場に対してサプライズとなり米株と長期金利が上昇しリスクオンとなり、ドル円も一気に146円から147円まで吹き上げた。
日本国際収支(経常収支)
日本6月分の国際収支(経常収支)が発表された、結果は以下の通り。
結果は黒字で141億円の拡大だった。
貿易・サービス収支は数か月ぶりに黒字となり2087億円のプラスになった。
サービス分野は常々言われているデジタル赤字が影響しマイナスになったが、その分をインバウンド収支が上回りまとめると黒字に転嫁した模様。
また円安の影響から国外からの配当や利子が大きく第一次所得収支も黒字に貢献した。
2024年上半期分の経常収支も同時に発表され結果は12兆6817億円の黒字で前年に比べて4兆7148億円のプラスだった。
やはり円安による第一次所得収支が大きく貢献、貿易収支は自動車、半導体の輸出が好調だった事から赤字幅を縮小した。
日銀主な意見
先月の日銀政策決定会合における主な意見が公表された。
一部には「物価安定の目標の実現に向けて政策金利を中立金利まで引き上げるべきで、中立金利は最低でも1%」とタカ派な意見も目立ったが全体を通してみると「データを慎重に見極め、緩やかに利上げすべき」との意見が多く会合後の記者会見で植田総裁が強気だった事から少しギャップがあるとの印象を受けた。
市場でもドル買いに反応しており少し日銀をタカ派に捉えすぎていたのかもしれない。
最もこれは先日の日経平均の史上最大幅の暴落や暴騰が起こる前の記録なので現在の日銀の認識は分からない。
新規失業保険申請数
新規失業保険申請数が発表された。結果は以下の通り。
結果は予想より8千件ほど改善されていた。
最近の労働市場は弱いデータが続いており、そのペースが速すぎると米経済の後退が懸念されていた所に今回の良いデータが現れ、市場ではサプライズ気味に受け止められた。
結果、労働市場では急激な後退が起こりFRBによる利下げが早まると予測されていたが、その予想が弱まりドル円は急上昇となった。
テクニカル分析
ドル円日足では日足(赤)・週足(黄)の上昇トレンドラインをブレイクし下落。
下降トレンドに入っているが現在反発が入っており3日連続の陽線を記録している。
先日の記事に書いた3つのシナリオの内まだどのシナリオになりうるかは分からないが一先ずリトレースがどこまで続くのか観測したい。
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